SOCSYS024: THE 24TH SYMPOSIUM OF TECHNICAL COMMITTEE ON SOCIAL SYSTEMS
PROGRAM FOR SUNDAY, MARCH 7TH
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09:00-12:00 Session 7A: 【オンライン展示】 株式会社 NTTデータ数理システム

展示担当

株式会社 NTTデータ数理システム 営業部 嶋田 佳明

展示内容

オンラインにて、NTTデータ数理システムの製品(シミュレーション、数理最適化、ベイジアンネットワーク、テキストマイニング、データマイニング)に関する、お問い合わせ、ご相談、ご要望を承っております。展示担当が、時間内にZoomに常時待機しております。お気軽に接続ください。

また、研究会の開催期間中、オンデマンド動画を【限定公開】しております。こちらも併せて、是非ご覧くださいませ。

 [動画内容]

  • 汎用シミュレーションシステム S4 Simulation System のご紹介
  • 数理システムがお送りするデータサイエンス教育
  • 業務につなげるAI・機械学習活用法
  • マーケティング活用のためのテキストマイニング(SNS分析)
  • 複雑な顧客像をベイジアンネットワークで分析
  • コールセンタートータルソリューションのご紹介

[接続URL、パスワード]

研究会の運営本部より、3/5(金)にメールでご案内しております。ご確認くださいませ。

09:00-10:10 Session 7B: ショート発表1
Chair:
Akira Sasaki (Hosei University, Japan)
09:00
和希 中村 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
持続可能性の定義を明確化した都市評価指標の開発
PRESENTER: 和希 中村

ABSTRACT. 既存の都市評価指標は,都市の持続可能性についての価値判断や閾値,目標数値等が明らかではない指標項目が多い.また,持続可能性の評価において地理空間情報は重要な要素であるが,アクセシビリティ等の地理空間情報を用いた項目は充実していない.以上の点が,地域の現状分析の不足を招き,効果的な手段の選択を困難なものにしている.他にも,持続可能性に纏わる要因は複雑かつ多岐に渡ることから,都市の仕組みと持続可能性の関係を整理する必要がある.本研究は,都市の持続可能性の明確化と都市のポテンシャルに基づいた施策の検討を補助することを目的として,持続可能性の定義を具体化した都市評価指標項目の作成及び指標の開発を行う.

09:10
純也 塚本 (芝浦工業大学, Japan)
交通視点における高齢者が生活しやすい都市評価

ABSTRACT. 昨今,高齢ドライバーによる交通事故は頻繁にマスメディアに取り上げられるほど深刻な社会問題となっている.本稿では対策の一つとして高齢者の歩行促進を考えた.歩行促進の手段を考えるにあたり,高齢者が快適に日常生活を送るためにはどのような都市が良いのか,客観的指標を用いた都市交通評価の分析を行った.分析には高齢者が日常的に利用する施設の近接性を表すアクセシビリティ評価と,歩きやすさや歩行促進を表すウォーカビリティ評価の2つの指標を用いた.本稿ではアクセシビリティ評価について言及する.分析の結果,身近に様々な機能が揃っている中心市街地や都市部が評価値が高く,生活しやすいことが判明した.

09:20
蒼人 中野 (静岡大学, Japan)
皓 李 (静岡大学, Japan)
地方都市のバス交通における路線所要時間推定モデルの提案
PRESENTER: 蒼人 中野

ABSTRACT. 現在の地方都市では人口減少が大きな問題である.地方公共団体は公共交通のサービス低下を要因の一つとして認識しており,政策や事業の施行を行っている.静岡県浜松市は大規模なモータリゼーションの進展により様々な交通問題を抱えているが,これらの改善には現状の分析と施策の評価が必要である.本研究では浜松市を対象としたパーソントリップデータを利用し,新たに環状のバス路線を導入した場合の市民のニーズと合致性の分析を行い,またパーソントリップデータに対し,他の交通手段を使用した場合の所要時間推定モデルを構築する.結果,環状路線の導入によるバスの利用促進が期待され,特に自動車使用層への効果が高いことが分かった.

09:30
奎祐 太田 (静岡大学大学院, Japan)
皓 李 (静岡大学, Taiwan)
雇用増加に伴う人口動態予測モデルの構想 ~野球クラブの拠点移転を事例に~
PRESENTER: 奎祐 太田

ABSTRACT. プロ野球クラブの北海道日本ハムファイターズは,2023年を目処に札幌市から隣に接している北広島市に本拠地を移転する.それに伴い,野球クラブを中心とした総合レジャーパークのボールパーク構想がある.移転予定地は現在未開発であり,ボールパークが完成すれば,周辺に多くの雇用が生まれるため,北広島市は人口増加も含めた計画を立てている.我々は雇用増加に伴う人口流入に着目し,北広島市が目指す定住人口増加の実現可能性について予想する事を最終目的とする.本研究ではまず,ボールパーク構想によって新設される事業所に基づく人口移動の推定を行うための,事業所の種類や数と人口との関係を想定したモデリング手法を提案する.

09:40
勇士 大塚 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
ペット販売市場の健全化に向けた余剰繁殖頭数の推定
PRESENTER: 勇士 大塚

ABSTRACT. ペット販売市場では消費者の需要を大きく超えた動物の過剰繁殖,ペットオークション,大量消費のビジネスモデルが適用されていることが問題である.今日では売れ残った動物の処分問題,多頭飼育崩壊,流通におけるペットの死亡率等が社会問題となっている.これらの問題を受けて社会の中で問題意識が高まり,1993年に「動物の保護及び管理に関する法律(以下,動物管理法)」が成立し,2024年6月に動物愛護法初の数値規制が施行される.また冒頭で述べた諸問題に対する研究や調査は活発に行われていない.そのため本研究ではペット販売市場における余剰繁殖頭数を推計した.その際にペット販売市場における流通シミュレーションモデルと動物愛護法の数値規制を反映したモデルを作成し,消費者の意思決定プロセスを組み込み,現在のペット販売市場と数値規制が施行された場合のシミュレーションを行なった.その中で現在市場において不明な隠れた実態を推計したことで,業界構造を健全化するための指針とする.

09:50
咲希 灘岡 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
教員の勤務シミュレーションによる学校の労働環境改善に向けた検討
PRESENTER: 咲希 灘岡

ABSTRACT. 近年,公立学校教員の長時間労働の常態化や精神疾患者の増加など,学校の過酷な労働環境が問題視されている.問題解決に向けて行政が進めている働き方改革では,十分な効果が得られておらず,複雑な勤務体制や労働環境を読み解く必要がある.本研究では,教員の労働改革に向けて,学校の内部構造に着目したシミュレーションを用いて勤務を可視化することから検討する.結果より,教員の勤務をシミュレーションの構築を可能とし,本モデルで突発的業務が発生した場合,特に支援の必要な区分は新人からベテランの間の教員であることが明らかになった.より具現性のあるモデルの構築には,より実際に近いデータの収集や様々な個人特性を利用することが求められる.

10:00
柊太郎 柴田 (青山学院大学, Japan)
崇 伊藤 (青山学院大学, Japan)
昌平 石津 (青山学院大学, Japan)
オンライン授業のための課題管理システムの構築
PRESENTER: 柊太郎 柴田

ABSTRACT. 2020年,COVID-19の影響により,全国の大学等でオンライン授業が導入された.これまでの研究により,オンライン授業では締切日やスケジュール管理についてなど,対面授業とは異なる不満を感じることが確認されている.オンライン授業は,今後,標準的な学習形態になる可能性もあり,その不満解消を検討することは重要であると考える.そこで本研究では,関連研究や本学の学生に対するアンケート調査からオンライン授業に対する不満を事前に調査し,その結果に基づき,オンライン授業における不満の解消を支援するシステムの構築を目指す.また,検証として構築したシステムを本学の学生に使用していただき,その有効性を検証する.

09:00-10:10 Session 7C: ショート発表2
Chair:
Setsuya Kurahashi (University of Tsukuba, Japan)
09:00
岳 清水 (神戸大学, Japan)
俊也 貝原 (神戸大学, Japan)
信忠 藤井 (神戸大学, Japan)
大介 國領 (神戸大学, Japan)
マルチスケールモデリングの概念に基づく新型感染症対策に関する基礎研究
PRESENTER: 岳 清水

ABSTRACT. 我々は個人行動などのミクロな要素から政策・経済評価などのマクロな要素までを含む社会システムを対象として,それぞれの要素をその抽象度に適したモデリング手法を用いてそれらを統合するマルチスケールモデリングに着目している.本稿では,その第一段階として,新型感染症を対象とした政策を条件として設定したエージェントベースモデリングを用いてエビデンスに従う政策の有効性検証を行った.

09:10
恭平 川本 (神戸大学, Japan)
俊也 貝原 (神戸大学, Japan)
信忠 藤井 (神戸大学, Japan)
大介 國領 (神戸大学, Japan)
社会シミュレーションを用いたマッチング理論に基づく新興感染症患者隔離先決定手法の一提案
PRESENTER: 恭平 川本

ABSTRACT. 新型コロナウイルスをはじめとした新興感染症で講じられる隔離措置に関し,医療体制のひっ迫を避けるため無症状や軽症の患者の宿泊療養並びに自宅療養の活用が進められているが,その隔離先の決定方法には明確な基準がない.我々は,患者の意見を優先しつつ,医療機関・行政の意思決定を反映可能な隔離先決定メカニズムの提案を目指している.本稿では,新型コロナウイルスが蔓延した仮想都市を対象に,DA メカニズムに基づく患者隔離先決定手法を提案し,エージェントベースシミュレーションによりその有効性について評価する.

09:20
貴洋 鈴木 (芝浦工業大学, Japan)
豊 中井 (芝浦工業大学, Japan)
テキストマイニングによる接触確認アプリCOCOAの普及課題の検討
PRESENTER: 貴洋 鈴木

ABSTRACT. 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために政府がリリースした接触確認アプリCOCOAは,リリースから半年以上が経過しているものの十分に普及しているとはいえない.本研究では共起ネットワークとLDAを用いてアプリレビューに投稿された利用者の声を分析した.その結果,普及にはプライバシーへの配慮とバッテリー負荷について,普及後を見据えるとバッテリー負荷と不具合について,それぞれ改善の余地があることが判明した.

09:30
山下 幹太 (関西大学, Japan)
村田 忠彦 (関西大学, Japan)
シミュレーションによる新型コロナウイルス接触確認アプリの効果の推定
PRESENTER: 山下 幹太

ABSTRACT. 2019年末に中国で発生し,世界中で感染を拡大させている新型コロナウイルス(COVID-19)に対し,厚生労働省が対策のひとつとして接触確認アプリ「COCOA」を発表,リリースした.このアプリは,スマートフォンの近接通信機能を利用し,アプリ所持者の陽性者との接触履歴をアプリ所持者に通知することができる.本論文では,エージェントベースモデリング手法を用いて感染症シミュレーションを行い,接触確認アプリによる予防効果の推定を行う.

09:40
尚樹 田口 (芝浦工業大学, Japan)
豊 中井 (芝浦工業大学, Japan)
地域医療における病床稼働率の分析
PRESENTER: 尚樹 田口

ABSTRACT. 地域医療構想の策定が進んでいる我が国では,医療機関経営の困難化が課題として表面化 している.その原因として,医療の高度化・効率化や人口減少による必要病床数の減少,医師・看護 師不足,相対的な病床過剰が挙げられている.本研究では,病床に関する指標の一つである病床稼働 率に着目し,この指標に影響を与える要因の分析を行う.

09:50
福島 惇輝 (関西大学, Japan)
村田 忠彦 (関西大学, Japan)
原田 拓弥 (青山学院大学, Japan)
佐々木 美絵 (東京大学, Japan)
自動体外式除細動器(AED)の利用可能時間に関する分析
PRESENTER: 福島 惇輝

ABSTRACT. 現在,心肺機能停止患者に自動体外式除細動器(AED)を使用するためには,心停止現場からAEDを取りに行くか,救急自動車の到着を待たなければならない.しかし,心停止現場からその場に居合わせたバイスタンダーがAEDを取りにいく場合,心停止発生時に,AEDを設置している施設が利用可能時間外であれば,AEDを使用することができない.本研究では,「全国AEDマップ」と「日本全国AEDマップ」に登録されている大阪府高槻市のAEDを基に,各AEDの利用可能時間を調査し,時間帯別のAED利用率を分析する.分析した情報を基に,AEDの利用時間拡大にむけた提案を行う.

10:00
Hiroyuki Yamanaka (shibaura institute of technology, Japan)
尚樹 田口 (芝浦工業大学, Japan)
Yutaka Nakai (Shibaura Institute of Technology, Japan)
ベイジアンネットワークを用いた高齢者の社会参加の因果関係の探索

ABSTRACT. 社会参加によって社会関係保障費の削減が期待できる.また,社会参加において個人の属性や生活スタイルなどの様々な要因が関係していることが指摘されている.本稿では,アンケート調査を分析することにより社会参加の発生機序を明らかにし,社会参加の障害となっている問題を特定することで高齢者の社会保障関係費の削減に寄与することを目的とする.

10:20-11:30 Session 8A: ショート発表3
Chair:
Takashi Yamada (Yamaguchi University, Japan)
10:20
稜 下田 (静岡大学院総合科学技術研究科情報学専攻李研究室, Japan)
Lee Hao (Shizuoka University, Japan)
合成人口データを用いた新型コロナウイルス対策に対する 経済的効果のモデル構築
PRESENTER: 稜 下田

ABSTRACT. 2020年日本国内で感染が発生した新型コロナウイルスに対し,様々な感染拡大対策が講じられている.感染抑制効果のみならず,経済的な影響も大きいとされている.本研究では,新型コロナウイルス感染拡大対策における経済的影響を,合成人口データを用いて考察することを目的とする.就労している産業分類や所得などを属性に持つ合成人口データを使用することにより,抽象度が高い仮想空間より現実に近い空間を想定し,産業別あるいは地域別での経済的影響を推計することが可能と考える。

10:30
恵人 岩田 (静岡大学大学院, Japan)
皓 李 (静岡大学, Japan)
仮想個票データに基づく浜松市における 将来の人口動態を推定するマイクロシミュレーション
PRESENTER: 恵人 岩田

ABSTRACT. 日本において少子高齢化が進行している. 少子高齢化は地方都市において特に深刻であり,人口減少が進行するとともに高齢世帯が今後も増加していく傾向にある.このような都市における問題を把握し, 政策立案及び検討を行うにあたってマイクロシミュレーションの活用が進んでいる. 浜松市は都心部や中山間部等,特徴ある地域を持ち,地域固有の問題を抱える.よって,浜松市の人口動態等を分析するマイクロシミュレーションを導入することは問題解決にあたって大きな意味を持つ.本研究では浜松市の人口動態や世帯構成の変動をマイクロシミュレーションによって分析する. 推定結果は既存推計との比較を行った上で,2045年までの人口動態を分析する.

10:40
みゆき 宗野 (静岡大学, Japan)
優人 宮垣 (静岡大学, Japan)
千晃 土居 (静岡大学, Japan)
Hao Lee (Shizuoka University, Japan)
妊娠・出産の意思決定のゲーミングモデリング
PRESENTER: みゆき 宗野

ABSTRACT. 少子化問題は社会の継続可能性を脅かす大きな社会的リスクである一方,人口動態に最も大きな影響を与える一般市民は,この社会的リスクを構造的に理解することが難しい.例えば近年では,出産意欲があり,経済問題がなく,健康だったにも関わらず,加齢に伴う生殖能力低下などにより,結果的に不妊に発展するケースが生じている.本研究では,我々は若年世代が少子化問題に対する理解を深め,意識及び行動変容に繋がるような個人視点のゲーミングモデルを構築する.

10:50
和希 栗原 (芝浦工業大学, Japan)
佑太 山崎 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
0 ~ 3 歳児を持つ親のニーズに関する分析
PRESENTER: 和希 栗原

ABSTRACT. 今日,少子高齢化社会を迎え,女性の社会参加は社会常識になっている.このような状況の中で子育て・少子化対策を重点的に取り組む自治体は少なくない.本研究では,これらの問題に対して,先行研究で取り上げられている和光市を対象に,0~3歳児を持つ親から得られた子育てに関するアンケート結果を地理情報システムに関連づけて分析を行なった.結果,子育て資源と子育てのしやすさに地理的要因がないということが判明した.

11:00
咲紀 濱田 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
避難所生活における感染症蔓延シミュレーション
PRESENTER: 咲紀 濱田

ABSTRACT. 現在,感染症蔓延下における災害発生時の対応について多く議論がなされている.特に避難所は衛生環境や多人数の共同生活により感染症蔓延のリスクが非常に高い.感染対策の啓蒙ポスターやパーティションの設置など様々な対策が行われているものの,対策の効果については定量的に示されていない.本研究では,避難所における感染対策を行った場合の感染状況を再現し, 結果を得ることで避難所における感染リスクと有効な対策方法を示した.パーティションの導入は33.9%,収容人数の削減は75.4%の感染者抑制効果があり,両対策は有効であると示された.また,人の密集,咳,会話のリスクが高いことを示した.

11:10
陽 佐藤 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
避難所への食事支援における最適化モデルの構築
PRESENTER: 陽 佐藤

ABSTRACT. 大規模な自然災害の発生時では,避難所への物資や食糧の支援に問題が生じ,被災者は栄養のある食事が取れていない.これらの解決策として炊き出しやお弁当の配給が挙げられているが,それらの支援は不平等に行われている.そこで本研究では,避難所ごとの食事の需要を数値化し,その数値を用いる食糧支援の最適化モデルを作成することで,避難所への平等な支援とマッチングによる負担の軽減を試みた.災害事例として熊本県益城町の疑似的支援データを作成し,そのデータと本研究で構築したモデルでの支援を比較し,需要の充足率などの観点からモデルの評価を行った.結果として,栄養不足率は平均として約10%の改善,炊き出しの被支援回数は1.64倍増加を確認し,より平等な支援が行えたことが確認できた.

11:20
楓 藤田 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
地理空間情報に基づく地域医療指標の提案から分析
PRESENTER: 楓 藤田

ABSTRACT. 現在,行政は限られた税収の中で住民のニーズを満たさなければならない状況にある.そのため,住民の暮らしやすさを実現する政策の効率化が必要である.そこで,本研究は地理空間情報(以下,GIS)を用いて住民の主観的な暮らしやすさ評価を,客観的に指標を定め,さらに地域の統計データ分析を行った.本稿では,暮らしやすさ指標の分類の中でも「医療」を取り扱い,ウェイト付けに必要となる各項目の分析値取得の可能性を検討する.

10:20-11:40 Session 8B: ショート発表4
Chair:
Yutaka Nakai (Shibaura Institute of Technology, Japan)
10:20
Mikiya Yamazaki (Aoyamagakuin, Japan)
Tatsuki Fukushima (Aoyamagakuin, Japan)
Takuya Harada (Aoyamagakuin, Japan)
Noritomo Ouchi (Aoyamagakuin, Japan)
pix2pixを用いた建造物の用途判別精度向上のための複数点による判定

ABSTRACT. 現実に即した社会シミュレーションのため,建築物の用途を推定する研究がなされている.その研究では,建造物の用途を重心座標一点のみで判定しているため,ノイズに対して脆弱である.本研究では,建物の各頂点で判別を行う手法を提案する.結果,全体の正解率は 2.3% 程度,住居の建造物の F 値にも改善が見られた.

10:30
Haruhiko Maenami (NINS, Japan)
Yuji Oyamada (Tottori University, Japan)
Mikihiko Mori (Mejiro University, Japan)
ワークショップ映像にもとづいた議論分析システム構築の試み
PRESENTER: Haruhiko Maenami

ABSTRACT. ワークショップにおける付箋の挙動に着目し,アイディアの書かれた付箋紙を配置するテーブルの上方にカメラを設置し,そのカメラの映像に基づいて付箋紙の動きを記録・追跡する,「アイディア活動追跡システム」を提案する.本システムによって議論の振返りを容易にするとともに議論プロセスを可視化・分析することが可能になる.

10:40
Hidehiro 英博 Matsumoto 松本 (Tottori University, Japan)
Akira Ishii (Tottori University, Japan)
An Analysis of Messaging Mechanism with personal characters on Social Networking Services SNS で個人の特性をもつメッセージングメカニズムの一解析

ABSTRACT. Some Social Networking Services (SNS) transmit and communicate personal opinions to our society with messages from our phycological motivation. Some previous researches did not give us reasons why members on SNS telecommunicate each other freely. We introduce an approach for analyzing mechanism with motivation based on personal characters by mathematical model to solve the above reasons.

10:50
Nozomi Okano (Tottori University, Japan)
Akira Ishii (Tottori University, Japan)
マスメディアの影響が届かない人々の意見の社会の中での動きの
オピニオンダイナミクスによるシミュレーション
PRESENTER: Nozomi Okano

ABSTRACT. 最近,社会の中ではテレビや新聞などの報道に接しないためにニュースなど世の中の情報をSNS等でしか得ない人々が少なくないと思われている。特に若い世代に多いと言われている。そのようなマスメディアに接しない人々も世の中の周囲の人から影響を受ける。そのようなマスメディアからは影響を受けない人々が、周囲の人々の影響をどこまで受けて、どこまでマスメディアが示す方向に彼らの意見が動くのかを,石井のオピニオンダイナミクス理論で研究した。計算結果からは,そうした人々も周囲の人々との繋がりが密であれば,マスメディアが示す方向に意見が動くことがわかった。また,人々の繋がりが疎であれば,マスメディアの影響に影響されないこともわかった。

11:00
光輝 道仙 (芝浦工業大学, Japan)
友介 小山 (芝浦工業大学, Japan)
深夜アニメ視聴データに対する生存時間分析の適用
PRESENTER: 光輝 道仙

ABSTRACT. 本研究では,深夜アニメの視聴実態の調査を目的として,深夜アニメ視聴データに対して生存時間分析を実行した.生存曲線の作成にはKaplan-Meier曲線を利用する.得られた生存曲線にクラスター分析を実行することで,アニメの視聴実態と性別や年齢などの属性にどのような関係があるかを調査した.調査の結果,アニメには4つのクラスターが存在し,クラスターごとに属性から受ける影響に差があることが判明した.

11:10
誠 藤居 (鳥取大学, Japan)
晃 石井 (鳥取大学, Japan)
エージェントに採用者カテゴリを適用したオピニオンダイナミクスによるシミュレーション
PRESENTER: 誠 藤居

ABSTRACT. 新しいオピニオンダイナミクスをベースに,採用者カテゴリをエージェントに適用したシミュレーションを実行している.採用者の初期の意見分布,マスメディア効果,そしてランダムネットワークのノードの接続確率を操作することで,イノベーションの普及に影響を与えることを観察した.その結果、メディアが市場に一様な影響を与えたとき,人々の意見分布はメディアが主導する方向に歪むことが示された.また初期採用者の意見の初期値や信頼係数を操作することで市場に影響を与え,イノベーションの普及拡散に影響を与えることを観察した.

11:20
勝 宮尾 (産業技術大学院大学, Japan)
久志 林 (産業技術大学院大学, Japan)
侑香 山成 (産業技術大学院大学, Japan)
進 章 (産業技術大学院大学, Japan)
貴志 西野 (産業技術大学院大学, Japan)
鵬達 劉 (産業技術大学院大学, Japan)
階層型エージェントを用いた信号機制御
PRESENTER: 勝 宮尾

ABSTRACT. 個々の交差点の車の待行列を最小にし,かつ,都市全体として交通量を最大化する事を信号機の制御に注目して解決する.この実現のため信号制御に強化学習を用い,領域交渉を行うエージェントを持った階層構造を提案する.

11:30
晃子 杉浦 (筑波大学, Japan)
節也 倉橋 (筑波大学, Japan)
新規参入者への組織サポートが組織全体に及ぼす影響
PRESENTER: 晃子 杉浦

ABSTRACT. 「組織社会化」は,組織の新規参入者の定着率の低さや成果を出すまでに時間がかかるといった問題への解決策として研究が進んでいる.しかし,組織社会化とは本来,組織と個人の相互作用であり,組織と個人の両方に焦点を当てねばならない.本研究では,組織社会化研究で明らかになっている「適応エージェント」や「ネットワーク作りの「場」の設定」などの新規参入者の組織適応を促す組織サポートが,組織全体にどのように影響するかを,組織の環境認識モデルを用いたエージェント・シミュレーションによって分析する.そして,有効な組織サポートはどのようなものか,組織サポートがどのように組織全体の利益になるかについて示唆を得たい.

12:50-13:00 Session 10: NTTデータ数理システム製品のご紹介

発表者

株式会社 NTTデータ数理システム 営業部 嶋田 佳明

アブストラクト

株式会社NTTデータ数理システムでは、シミュレーション、数理最適化、ベイジアンネットワーク、テキストマイニング、データマイニングのパッケージ製品の開発・販売を行っております。その中から2021年3月末リリース予定の、汎用シミュレーションパッケージS4 Simulation System Ver6.1の新機能紹介をさせていただきます。

13:00-17:00 Session 11: 特別講演『主体を含む「複雑系の認識原理と自己組織化」を求めて – 探求の旅路で見出したもの -』

講演者

出口 弘先生(東京工業大学)

アブストラクト

主体を含む複雑なシステムを問う私的な探求の旅路はすでに半世紀近くになる。その旅路の中で問いかけてきた数多くの事柄が、今のささやかな到達地点から見てどのように見えるのか、なぜそう見ることが必要なのかをこの講演では示して見たい。それにより「システムズモデリングとプラクティス」というモデルによる現実世界の認識と同時に何らかの企図に基づいた現実世界への介入という二つの側面を持つ、システム科学という知のあり様を示したい。その中で「未だあらざる現実を構想し実現するための知」が、普遍的な法則を措定しその真偽を問うという規範的な「科学」観を超えて、人間社会にとっていかに重要な知的営為であるかを示したい。またこの講演では一人の研究者としての探求の旅路の中でのエピソード的な体験も含め、次世代の研究者の方々にとって、知識とは別の意味で有益な何かを伝えられればと思っている。