SOCSYS024: THE 24TH SYMPOSIUM OF TECHNICAL COMMITTEE ON SOCIAL SYSTEMS
PROGRAM FOR SATURDAY, MARCH 6TH
Days:
next day
all days

View: session overviewtalk overview

09:30-13:00 Session 2A: 【オンライン展示】 株式会社 NTTデータ数理システム

展示担当

株式会社 NTTデータ数理システム 営業部 嶋田 佳明

展示内容

オンラインにて、NTTデータ数理システムの製品(シミュレーション、数理最適化、ベイジアンネットワーク、テキストマイニング、データマイニング)に関する、お問い合わせ、ご相談、ご要望を承っております。展示担当が、時間内にZoomに常時待機しております。お気軽に接続ください。

また、研究会の開催期間中、オンデマンド動画を【限定公開】しております。こちらも併せて、是非ご覧くださいませ。

 [動画内容]

  • 汎用シミュレーションシステム S4 Simulation System のご紹介
  • 数理システムがお送りするデータサイエンス教育
  • 業務につなげるAI・機械学習活用法
  • マーケティング活用のためのテキストマイニング(SNS分析)
  • 複雑な顧客像をベイジアンネットワークで分析
  • コールセンタートータルソリューションのご紹介

[接続URL、パスワード]

研究会の運営本部より、3/5(金)にメールでご案内しております。ご確認くださいませ。

09:30-10:50 Session 2B: ミドル発表1
Chair:
Hao Lee (Shizuoka University, Japan)
09:30
陽奈 谷地 (岩手県立大学, Japan)
裕介 後藤 (岩手県立大学, Japan)
顧客の店舗利用系列を考慮した将来的な優良顧客の早期予測手法の提案
PRESENTER: 陽奈 谷地

ABSTRACT. 本論文では顧客の店舗利用系列を考慮し,商業施設における複数店舗の利用につながる店舗成長度合いの早期予測における分析手法の提案を行う.顧客の店舗利用成長度基準を作成・クラスタを設定し,決定木分析を行う.この際,クラスタごとに早期段階の利用履歴から部分系列を抽出し特徴量として設定する.分析の結果,店舗利用系列は予測精度向上につながることが確認でき,より詳細な特徴を明らかにすることができた.

09:50
惇平 大内 (Waseda University, Japan)
真吾 高橋 (Waseda University, Japan)
予測市場を用いた経路選択行動による混雑への影響分析
PRESENTER: 惇平 大内

ABSTRACT. ドライバーがそれぞれの認知に基づき意思決定を行うという状態下で, 行動の不確実性が混雑に与える影響を分析する.本研究では「予測市場」を用いてドライバー各々が認知する情報と, その認知を集約しドライバーへフィードバックを行うことでカーナビのように予測情報を提示するモデルを作成し, ドライバーの認知情報によるドライバーの行動変化を表現する. そして, 情報精度や混雑情報に対する行動に差のあるエージェントが存在する交通状態を表すシミュレーションを作成し分析を行うことで混雑につながる行動とその行動の原因を判明させる.

10:10
空悟 髙橋 (早稲田大学, Japan)
昇平 山根 ((株)富士通研究所, Japan)
広明 山田 ((株)富士通研究所, Japan)
耕太郎 大堀 ((株)富士通研究所, Japan)
真吾 高橋 (早稲田大学, Japan)
ミクロダイナミクス分析技法を用いた実データに基づく回遊シミュレーションモデル
PRESENTER: 空悟 髙橋

ABSTRACT. 店舗やイベント会場における回遊行動を表現した人流シミュレーションは施設やイベントごとに来場者の属性や目的が異なり,実際の回遊行動を再現したシミュレーションの構築は困難である.またシミュレーション上で確認される混雑等マクロ現象の発生要因をシミュレーション結果と実測データで妥当性検証することはこれまで行われておらず,実現すればシミュレーションの妥当性は向上する.本研究では大規模展示会で収集された実データに対してミクロダイナミクス分析技法を適用することを実現し,来場者集中の要因を明らかにするとともに,得られた分析結果を利用して回遊シミュレーションを構築することでモデリングを容易にすること,パラメータ設定に分析結果を利用できること,シミュレーションの妥当性が向上することを示す.

10:30
深井 颯 (出口研究室, Japan)
出口 弘 (出口研究室, Japan)
エージェントベースモデリングによる物流倉庫のオペレーション最適化
PRESENTER: 深井 颯

ABSTRACT. 近年,日本においては人口減少と連動して物流の現場における作業人員の減少が問題となっている.その一方でECサイトの発展などにより,物流の現場が日々受ける注文の幅は広がり続けている.物流倉庫ではこの両方の問題に対応すべく,様々なオペレーション法を開発し,組み合わせることによって業務をこなしてきた.一方でこうしたオペレーション法の管理のノウハウは現場においてのみ蓄積されており,俗人的スキルとなってしまっている.しかし新たに倉庫を新設する場合や,それまでにないオペレーション方式を導入する場合にはこうした既存の人的リソースを活用するのは難しい.そこで本研究では,物流現場におけるオペレーションをエージェントベースでモデリングすることにより,最適なオペレーションの客観的な議論を可能にした.

09:30-10:50 Session 2C: ミドル発表2
Chair:
Manabu Ichikawa (Shibaura Institute of Technology, Japan)
09:30
Yuto Hashiba (Hosei University, Japan)
Akira Sasaki (Hosei University, Japan)
GPGPUを用いるエージェントシミュレーション開発用フレームワークに関する実用化のための拡張
PRESENTER: Yuto Hashiba

ABSTRACT. マルチエージェントシミュレーション(MAS)はエージェント同士の相互作用によって構成されるシミュレーションであるが,大規模化の際は相互作用により実行速度が大きく低下する.GPUを利用し並列実行することでMASを高速化する言語や環境はいくつか存在するが,これらは利用するプログラム言語と並列技術の学習を要する.先行研究において,我々はこれらの知識を不要としながら,MASの並列実行を可能とするためのフレームワークの開発を行った.これは,Python言語を利用し,プログラムを並列実行可能な形式に自動変換することを中支とする.本研究ではこのフレームワークの実用性を向上するための再現性,最適化の手法について提案を行い,機能の検証を行う.

09:50
海斗 関 (芝浦工業大学, Japan)
中井 豊 (芝浦工業大学, Japan)
在宅勤務就業者数予測マップの作成
PRESENTER: 海斗 関

ABSTRACT. 本稿では, 新型コロナ感染症流行下での日常生活に関するアンケート調査のデータを基に在宅勤務発生確率モデルを構築し,在宅勤務へと速やかに移行が可能だった労働者とそうでない労働者の違いがあるのか分析を行った. まず, 在宅勤務の実施要因について, ロジスティック回帰モデルを用いた回帰分析を行ったところ、業種や職種による差のみならず, 年齢, 最終学歴, 収入の増減, 勤め先の事業による差としても見られた.更に在宅勤務発生確率モデルと合成人工模擬個票を用いて,シミュレーションを行い世田谷区における在宅勤務者数予測マップの作成するとともに傾向を示す.

10:10
雄一 江尻 (青山学院大学, Japan)
拓弥 原田 (青山学院大学, Japan)
紀知 大内 (青山学院大学, Japan)
忠彦 村田 (関西大学, Japan)
美絵 佐々木 (東京大学, Japan)
住宅内心停止へのAED利活用促進に向けた社会シミュレーション分析―相模原市を対象として
PRESENTER: 雄一 江尻

ABSTRACT. 日本国内には推定約60万台のAEDが設置されているが,2018年の心停止傷病者79,400人のうち,一般市民によってAED使用された傷病者数は1,254人であり,AEDの活用が十分に行われているとは言い難い.そこで本研究では,神奈川県相模原市を対象に,住宅内心停止を想定したAED配置に関する分析を行う.また,AED利活用促進に向け,社会シミュレーションによる分析を行う.結果から,現状のAED配置が不十分である可能性や,「より多くの傷病者が発見された場合」,「より多くの発見者がAEDの運搬を試みた場合」,「AEDの追加設置を行った場合」にAED使用率の向上やAEDまでの距離の短縮といったAED利活用促進につながることを示した.

10:30
Kodai Takada (Shibaura Institute of Technology, Japan)
Hiroyuki Yamanaka (Shibaura Institute of Technology, Japan)
Yutaka Nakai (Shibaura Institute of Technology, Japan)
高齢者の社会参加予測マップの作成
PRESENTER: Kodai Takada

ABSTRACT. 少子高齢化に由来する社会保障費の急増は,近い将来,日本社会を揺るがしかねない問題である.高齢者が社会参加をすることで,健康状態が改善され,社会保障費の削減に繋がることは,多数の先行研究によって指摘されている.今後我が国において,多くの高齢者に社会参加を促進させることが重要となってくるが,高齢者の社会参加が発生する要因は明らかになっていない.そこで本研究では,高齢者を対象に社会参加の実態調査を行い,社会参加発生の要因を明確にし,社会参加発生確率モデルを構成することを目的とするとともに,将来の模擬個票と組み合わせて,対象地域の社会参加予測マップの作成・比較を行う.

11:10-12:50 Session 3A: ミドル発表3
Chair:
Hiroshi Takahashi (Keio University, Japan)
11:10
洋介 佐藤 (早稲田大学, Japan)
真吾 高橋 (早稲田大学, Japan)
グループ学習型アクティブラーニングにおけるティーチング・アシスタントの受講者への影響の分析
PRESENTER: 洋介 佐藤

ABSTRACT. 大学教育を通じた汎用的技能の獲得の必要性が高まり,Active Learning(AL)を導入する場面が増えてきている.この中で,ALの学習支援策の1つにTeaching Assistant(TA)が挙げられ,求められる能力や活用方法の検討が重要になってきている.更には,新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン形式でのALの取り組みの共有が進んでおり,オンラインでALを実施した場合の知見を共有する意義が出てきている.そこで本研究では,対面・オンライン双方の形式でALを行う特定の授業を対象に,TAの活用方法を検討すべく、受講者との関係性の分析や学習支援ツールとして形式概念分析を利用した,受講者の授業への取り組み方を可視化する手法を提案し,その有効性を検証した.

11:30
みずほ 宮内 (法政大学, Japan)
晃 佐々木 (法政大学, Japan)
人工市場における買い手エージェントの取引参加率安定のための分析とモデル化
PRESENTER: みずほ 宮内

ABSTRACT. 情報の非対称性が存在する市場での問題として,市場の商品品質の低下が起こるレモンマーケット問題が挙げられる.この問題を解決するための手法にはシグナリングがあり,先行研究ではこれを用いた市場をモデル化し,シグナルを用いた戦略の有効性をエージェントベースシミュレーションによって明らかにした.一方,市場安定化のために必要とされる買い手の取引参加率が市場へ与える影響の分析が不十分であることが課題として挙がっていた.本研究では,先行研究の市場モデルの改変を通じて,先行研究にて課題であった買い手の取引参加率の低下の傾向について分析し,買い手が十分取引に参加し公平な取引が行われる市場のモデル化を実現する.

11:50
佑太 進藤 (早稲田大学, Japan)
真吾 高橋 (早稲田大学, Japan)
ベイジアンゲームを用いた都市鉄道の混雑緩和に対する ニューノーマル時代のリモートワーク施策評価
PRESENTER: 佑太 進藤

ABSTRACT. 本研究では企業等が目標とする出社率分布およびそれに対する生産性によって各人の出勤確率が従う分布が形成されると仮定し, 都市鉄道の混雑緩和に対する出社率分布の評価を行う. 各企業における多様化した出勤確率の従う分布が合成されて社会的な分布が形成される場合は, 出勤者数の半減が期待できる. 一方で, 単一の生産性曲線と出社率分布が組み合わさることで社会的な分布が決定される場合, 生産性曲線によって最も高い効果を発揮する出社率分布は異なるという結果が得られた.

12:10
戸塚 康平 (関西大学, Japan)
村田 忠彦 (関西大学, Japan)
エージェントベースシミュレーションを用いた観光客の集中回避手法の評価
PRESENTER: 戸塚 康平

ABSTRACT. 2011年以降訪日外国人の数が急増しており,特定の観光地に観光客が集中してしまうことによる観光地周辺の住民の生活への悪影響となっている.テーマパークにおいても特定のアトラクションに人が集中してしまうことがあり,スマートフォン等で混雑状況を提示し,混雑を緩和させようとする動きもある.観光地においても同様の仕組みを再現することで,特定の観光地への観光客の集中を防ぐことができないか検討する.

12:30
弘祐 加藤 (農研機構, Japan)
Graph Embedding手法を用いた国際産業リンケージに基づく産業分析

ABSTRACT. 本研究では,Graph Embedding手法を用いて,国際産業連関表に基づき,国際産業リンケージの特徴と産業の異質性を一定程度含意したEndowment vectorを獲得し,そのEndowment vectorを用いる形で,国際産業リンケージに大きな影響を与える産業を抽出した.それと同時に,Endowment vectorを用いたクラス分類の結果からは,本研究で得たEndowment vectorは国際産業リンケージの特徴を潜在的に有するものであると考えられ,本アプローチの有効性が示された.

11:10-12:50 Session 3B: ミドル発表4
Chair:
Yusuke Goto (Iwate Prefectural University, Japan)
11:10
竜希 福嶋 (青山学院大学, Japan)
幹矢 山﨑 (青山学院大学, Japan)
拓弥 原田 (青山学院大学, Japan)
紀知 大内 (青山学院大学, Japan)
Pix2Pixを用いた建物の用途判別における土地利用ラベルの簡素化 -合成人口の改良に向けて
PRESENTER: 竜希 福嶋

ABSTRACT. 合成人口の住居への割り当てを精緻化するため,先行研究では航空写真と宅地利用動向調査を用い,建物の用途をクラスとして判別するモデルが提案されている.しかし,そこで用いられたクラスラベルは複雑である.本研究では,建築物面積の占有率や人間の住環境という観点から,このクラスラベルを単純化することで,一部のクラスにおいて,判別精度の改善が見られた.

11:30
陽太郎 松井 (Shibaura Institute of Technology, Japan)
直紀 嶋 (Shibaura Institute of Technology, Japan)
康平 渡邉 (Shibaura Institute of Technology, Japan)
学 市川 (Shibaura Institute of Technology, Japan)
SOARS Toolkitを用いた社会シミュレーションプラットフォームの構築
PRESENTER: 陽太郎 松井

ABSTRACT. 社会シミュレーションの手法の一つとしてエージェントベースモデリング(ABM)が広く用いられている.ABMによる社会現象のモデル化はシンプルなモデル構築が主であったが,計算機資源の潤沢化によりモデルの複雑化が許容されてきた.そこで日常生活の中で行われる社会現象のシミュレーション構築を良いにするために ,人口構成や都市構造を実装,出力結果の分類方法提案する社会シミュレーションプラットフォームの構築を行った. 本項ではその構築方法について中心にのべる.

11:50
康平 渡邉 (芝浦工業大学, Japan)
悠 小田中 (芝浦工業大学, Japan)
豊 中井 (芝浦工業大学, Japan)
学 市川 (芝浦工業大学, Japan)
エージェントベースモデルによる避難行動シミュレータの構築
PRESENTER: 康平 渡邉

ABSTRACT. 熊本地震では, 想定を上回る11万人もの住民が避難を余儀なくされた. 被災者の避難行動は, 駐車場等での車中泊や近隣施設への避難など多岐にわたり, 指定外避難所へ避難する住民が大勢発生した. 避難所の分散は, 自治体の避難者把握を困難なものとし, 指定外避難所へ支援が行き届かないという問題をもたらした. そこで, 本研究では, エージェントベースによるアプローチで避難者一人一人の避難行動を表現可能なシミュレーションモデルを構築する. これにより,複数シナリオを想定した綿密な地域防災計画の策定に寄与することを目的とする. 本稿では, 避難行動のモデル化し及び避難行動シミュレータを構築した.

12:10
宗秀 山田 (静岡大学, Japan)
皓 李 (静岡大学, Japan)
個人属性,地域性による家族形成意識分析
PRESENTER: 宗秀 山田

ABSTRACT. 本研究の目的は,市民の居住地による地域性や個人属性が,家族形成意識に及ぼす影響を明らかにすることにある.浜松市と静岡市の住民を対象に行われた社会調査データを分析することで,2市居住者の意識傾向の違いと,個人属性による意識傾向の違いについて,検証を行った.分析の結果,地域性については,性別役割分業意識への賛否は地域差が生じることが確認された.また,個人属性については,性別,年齢,婚姻状態,子ども数,最終学歴の5変数について,関連性が表れた.

12:30
美知 根岸 (静岡大学, Japan)
皓 李 (静岡大学, Japan)
マイクロシミュレーションモデルを用いた日本におけるベーシックインカム導入の一考察
PRESENTER: 美知 根岸

ABSTRACT. 従来の社会保障制度に代わる政策として、政府が全国民に対して最低限の生活を送るのに必要な額の現金給付を無条件に行う政策であるベーシックインカム(以下BI)が期待されている。本研究は、マイクロシミュレーションモデルを用いてBIが貧困問題の解消に有効であるか考察する。分析の結果、BIが従来の社会保障制度に比べ、「所得再分配機能」が高く、貧困問題の解消に有効であること、BIは子供を産む金銭的なハードルを下げ、少子化の緩和につながる可能性があることが明らかになった。しかし、本研究のモデルには、多くの問題点も残されており、さらなる改善が必要である。また、他の金額に対して試算を行い、妥当な金額を考察する必要がある。

13:50-14:50 Session 4: ロング発表1
Chair:
Hajime Kita (Kyoto University, Japan)
13:50
朱 子源 (Tokyo Institute of Technology, Japan)
Chang Shuang (Tokyo Institute of Technology, Japan)
出口 弘 (Tokyo Institute of Technology, Japan)
ABMによるシステミックリスクに関する研究
PRESENTER: 朱 子源

ABSTRACT. 本研究では、証券化に基づく原債務〜原債権〜オフバランス証券〜CDO〜CDSの連鎖をエージェントベースドモデリング手法で、 世界的クレジットクランチに至るメガニズムの会計取引と会計状態の変化として把握し、リスク伝播の回路を明らかにすることと、バブル形成及びCDS契約に関する仕組みがリスクを増幅する効果を分析することより、証券化がシステムにもたらす不安定性の解明をした。

14:20
Kanato Nakazawa (Shizuoka University, Japan)
Hao Lee (Shizuoka University, Japan)
英語圏における日本アニメのレビュー文とあらすじに対するテキストマイニングによる評価要因の分析
PRESENTER: Kanato Nakazawa

ABSTRACT. 海外における日本アニメの市場規模変動や評価の要因について,見解や考察が述べられている一方,作品の内容や作品に対する評価に基づいた定量的な分析は行われていない.本研究では,多様性が日本アニメの世界的支持をもたらしたという主張の検証,及び海外での日本アニメの評価要因を調査することを目的とする.多様性動向分析では,作品のあらすじ文をベクトル化し,X-meansクラスタリングとSumCos値の算出を行った.評価要因分析では,作品に対するレビュー文における評価表現の抽出,及び極性辞書を用いた評価語の分類を行った.

15:00-16:30 Session 5: ロング発表2
Chair:
Shingo Takahashi (Waseda University, Japan)
15:00
拓弥 原田 (青山学院大学, Japan)
忠彦 村田 (関西大学, Japan)
国勢調査結果を用いた全ての一般世帯と施設などの世帯を含む全世帯の合成
PRESENTER: 拓弥 原田

ABSTRACT. 本研究では国勢調査結果を用いて全世帯を合成する手法を提案する.従来手法では,公開されている統計表の制約のため,国勢調査における世帯の分類のうち,一般世帯に該当する9種類の家族類型に属する世帯を合成対象としていた.本研究では,不詳を含む一般世帯に属するすべての家族類型に加え,入院中や学生寮に居住する個人など施設などの世帯に分類される個人を合成対象とし,対象地域の全世帯を合成する手法を提案する.実験結果から全世帯を合成する提案手法においても,従来手法と同程度の誤差で人口合成することに成功した.

15:30
節也 倉橋 (筑波大学, Japan)
春樹 横幕 (NTT DATA 数理システム, Japan)
耕平 矢嶋 (筑波大学, Japan)
秀幸 永井 (筑波大学, Japan)
正敏 雪島 (NTT DATA 数理システム, Japan)
祥 豊岡 (NTT DATA 数理システム, Japan)
地域への感染者流入リスクと新型コロナウイルス感染の影響評価
PRESENTER: 節也 倉橋

ABSTRACT. 本論文では,新型コロナウイルス感染症の感染予測に関して,モバイル統計情報と機械学習を用いた,流入リスクを考慮した新たなSEIRモデルを提案する.本モデルによって,地域における精度の高い感染者予測が可能となり,札幌市と東京都での推定を行った結果では,1.2人/日という高い予測精度を示すことができる.このモデルを用いて,札幌市への流入リスクの影響を分析し,夏以降の流入者数を制限できていれば,11月の感染拡大は半分以下に抑えることができた可能性があることを示す.また,首都圏の緊急事態宣言で呼び掛けられている感染予防策について検証を行う.そして,東京近郊市街地を対象とした個体ベースモデルから得た感染予防策の実効再生産数減少率を用い,SEIRモデルでの1ヶ月後予測を行うことで,飲食店の時短強化よりも飛沫防止策の徹底やテレワーク,イベント制限などとの総合的な対策が大きな効果を示すことを明らかにする.

16:00
Naoki Shima (芝浦工業大学, Japan)
Yotaro Matsui (Shibaura Institute of Technology, Japan)
Manabu Ichikawa (Shibaura Institute of Technology, Japan)
国内におけるCOVID-19の流行シミュレーションの構築
PRESENTER: Naoki Shima

ABSTRACT. 2020 年, 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は多くの健康被害と医療提供体制の逼迫をもたらした. 政府は緊急事態措置などの感染症対策を行ったが, 社会機能の低下による社会生活への影響が問題視されている. このため人的・経済的損失を最小化する感染症対策の実現が求められているが, 限られたデータの中で, さまざま な感染症対策の効果を推定することは難しい. そこで本研究では, エージェントベースのアプローチで現実的な社 会モデルを構築し, COVID-19 の感染現象を複数のシナリオで模擬実験する. そして感染症対策が COVID-19 の 感染拡大に与える影響を明らかにすることを目的とする.

16:50-18:40 Session 6: 企画セッション『JST未来社会創造事業探索研究「社会政策立案に向けたマルチスケールABSS手法」における取組みと今後の展開』

アブストラクト

本研究プロジェクトでは,超スマート社会実現を視野に,ミクロな個人行動からマクロな社会政策までを対象として,科学的根拠に基づいた評価を可能とするマルチスケールエージェントベース社会シミュレーション(ABSS)手法の開発に取り組んでおり,社会政策立案への応用のための概念検証を目指して研究開発を開始しました.今後2年間の探索研究として,喫緊の社会的課題である新型コロナウイルス感染症問題に焦点を当て,感染拡大防止モデルと経済活動モデルをマルチスケールで統合したABSSによるバランスのとれた政策立案の実現と検証を行っています.本セッションでは,プロジェクトの概要をご紹介するとともに,今後の概念検証に向け,参加者の皆様と情報交換を行わせていただきたいと考えています.

登壇者(登壇順)

  • 貝原 俊也(神戸大学)
  • 村田 忠彦(関西大学)
  • 高橋 真吾(早稲田大学)
  • 市川 学(芝浦工業大学)
  • 後藤 裕介(岩手県立大学)
  • 倉橋 節也(筑波大学)

司会

  • 寺野 隆雄(千葉商科大学)

進行補助

  • 喜多 一(京都大学)