SOCSYS037: THE 37TH SYMPOSIUM OF TECHNICAL COMMITTEE ON SOCIAL SYSTEMS
PROGRAM FOR SATURDAY, MARCH 15TH
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09:00-09:50 Session 12A: ショート発表(1A)
09:00
仮想接地におけるモデルの環境・問題状況に対する類似経験の有無が回答へ及ぼす影響の検討

ABSTRACT. エージェントベース社会シミュレーション(ABSS)は,意思決定の支援に着目されているが,十分な実データの収集が困難な場合がある.その解決策として,仮想接地(VG)があるが,対象の実経験者を十分に確保できないケースが課題となる.そこで本研究では,VGにおいて未経験者も対象とするために,環境・問題状況に対する類似経験の有無が行動に与える影響を検討する.

09:10
ウォーカブル推進都市における 回遊行動促進のための行動選択モデルの一提案

ABSTRACT. 人口減少・少子高齢化が進む地方都市において,地域活力回復に向けた取り組みとして,魅力的なまちづくりが推進されている.そのためには施設や環境の整備だけでなく回遊行動の促進が重要と考えられている.そこで我々は,回遊行動を促進する都市計画作成を支援するための検討を進めている.その最初の取組として,本稿ではウォーカブル推進都市政策を検討している新潟県加茂市を対象に,エージェントベースモデリング(ABM)において,市民・来街者をエージェントとした回遊行動促進のための行動選択モデルの構想について述べる.

09:20
防災力向上に向けた地域コミュニティ活性化施策の立案のための意思決定支援モデルの一提案

ABSTRACT. 災害発生時の情報共有や地域で相互に助け合う「共助」において重要な役割を果たす地域コミュニティの希薄化が進んでいる.そこで我々は地域コミュニティを活性化し防災力を向上させるために,地域コミュニティ活性化施策の意思決定支援モデルの提案と,それを用いたエージェントベース社会シミュレーションによる施策の評価を目指している.本稿では,地域コミュニティの現状・課題を述べるとともに,地域コミュニティ活性化支援モデルについて提案する.

09:30
タンジブルインタフェースを活用したSocietal Prototype Design手法の提案

ABSTRACT. 本報告では, 政策立案における多様なステークホルダーの参加を促進するためのTangible User Interfaceを活用したSocietal Prototyping Design手法 を提案する. TUIは, 物理的オブジェクトを操作することで直感的な議論を可能にし, 専門知識を持たないステークホルダーでも社会シミュレーションを通じた政策議論への参加を促進する. 本手法を津波避難場所の設置検討に適用し, 避難場所の効果的な配置について直感的な議論を可能にした. TUIは, 特に都市計画や交通計画において有効であると考えられるため, 今後は適用領域の拡大とシステムの改善を進めていく.

09:40
社会シミュレーション結果の理解促進のための実行・可視化装置の試作

ABSTRACT. 近年,社会シミュレーションは政策意思決定支援に活用されつつあるが,結果の理解が難しい場合がある.そこで,本研究では,ステークホルダーがパラメータの設定から実行,可視化を行える装置を試作した.本装置は,タッチディスプレイによる地図表示や導電性素材を用いたオブジェクトの認識,近距離無線通信を用いたパラメータ送信と設定ユニット,及びサーバーで構成される.今後,他の可視化方法などとの比較を行い,装置の有用性を検証する予定である.

09:00-09:50 Session 12B: ショート発表(1B)
09:00
デジタルプラットフォーマーと利用者間の交渉力の非対称性:アカウントロックに関する調査結果より

ABSTRACT. 本調査の目的は,デジタルプラットフォームを介した情報・コンテンツの生成や発信,受容が一般化しつつある中で,それらの送り手や受け手にとって,デジタルプラットフォーム事業者によるアカウントロック等がどのように受け止められているか等を探ることである.公正取引委員会(2019)による実態調査では,デジタルプラットフォームとその利用事業者というBusiness to Business (B2B)の関係性を対象に調査がなされ,オンラインモールやアプリストアの運営事業者に対して利用事業者が従属的な地位に置かれている実態が明らかにされている.それでは,デジタルプラットフォームとその利用者(個人)というBusiness to Consumer (B2C)の関係性においてはどうであろうか.B2Bの利用事業者に比べて,B2Cの利用者は個人であるので,彼らのデジタルプラットフォーム事業者に対する交渉力はさらに弱小であることが予想される.

09:10
スモールワールド性を持つ人社会ネットワークに多数派へ同調するロボットを参入させる手続きとシミュレーション

ABSTRACT. ロボットに人間らしさや社会性を実装するために,他者の意見に同調するロボットが研究されている.また,幾つかの実験的研究がロボットとのやり取りは人の意見を変容させることを報告している.そのようなやり取りが社会の各所で発生し人々の意見を変容させることが社会に与える影響についてほとんど検証されていない.スモールワールド性を持つ生成された人的ネットワークに新たなノードとしてロボットを追加することにより人ロボット共存社会を表現し,そのネットワーク構造での意見伝播の特性をシミュレーションによって調査する.

09:20
システムモデルに基づくコラボレーションツールの評価実験
PRESENTER: 政司 三浦

ABSTRACT. オンラインで対話しながらシステムモデルを描くことでチームのコラボレーションを促進することができるツール「Balus」の有用性を定量的に評価するため,サバイバルタスクと呼ばれるグループワークを軸とした評価実験を設計・実施した. その結果, Balusの利用が精神的負荷を軽減し, 効率的なコミュニケーションにつながることを示唆する結果が得られた.

09:30
グローバルな企業間取引ネットワークにおける取引金額分布の普遍性

ABSTRACT. 取引レベルの輸出入取引金額分布の調査を行った.2019年2月から2023年4月を調査対象期間とし,ロシア,インド,メキシコ,ベトナム,スリランカ,エチオピアの6カ国それぞれの輸出入申告書データから,輸出入取引金額の累積分布を求めた.いずれの国の輸出入取引金額も,切断べき分布にしたがうことがわかった.COVID-19やウクライナ戦争があったが,輸入取引金額の指数は変化しなかった.

09:40
世帯特徴を考慮したEVオーナー世帯数の推定手法

ABSTRACT. 近年,電気自動車(EV)の販売を促進するためにEV充電スタンド(EVCS)の増設が求められている. そのため,EVオーナーの充電需要を考慮したEVCSの配置最適化が必要である. 地域ごとのEVオーナーの充 電需要を推定するためには,EVオーナーの所在地を推定する必要がある.本研究では,合成人口データと呼ばれ る模擬ミクロデータを用いて,EVオーナーの所在地を推定するため,シミュレーティッドアニーリング法(SA 法)を用いてEVオーナー世帯数を世帯の特徴に基づいて推定する方法を開発する.

10:10-10:50 Session 13A: ショート発表(2A)
10:10
テーマパークにおける2種類の優先搭乗券が持つ効果に関する研究

ABSTRACT. 本研究の目的は、テーマパークにおける来園者の満足度に対して優先搭乗券が与える影響について研究することが目的である. パスには2種類あり、ファストパスとプライオリティパスが存在する. これらの2種類のパスについて比較しながら実験を行う. 実験では既存のエージェントモデルにそれぞれのパス所有時の動作を実装することで実現をした.ファストパスではアトラクション選択の際に一定の確率でパスを取りに行く動きを実装し、プライオリティパスは入場の際にパスを来園者に与えることで実装した. パス所有時は指定の時間以外は通常の選択を行い、指定の時間の際に指定のアトラクションへと行く動きを実装した. その結果、優先搭乗券を実装すると全体の待機時間は減少した。

10:20
エージェントシミュレーションによる観光客の行動特性評価

ABSTRACT. 地域経済や雇用の重要な担い手である観光産業は交流人口や関係人口の拡大に寄与しているが, 少子高齢化や感染症の影響により,その構造的課題が顕在化している.観光産業の収益性を高め持続可能な観光を実現するために,我々はエージェントベース社会シミュレーションを用いた研究を進めている.本稿では観光客の属性に基づくエージェント行動モデルに関する構想及び簡易的な特性評価について述べる.

10:30
普及への心理的抵抗感を考慮したライドシェア制度導入モデル

ABSTRACT. 公共交通空白地の拡大に対する解決策の一つとして注目されている”日本版ライドシェア制度”の検討・実施が進んでいる.我々は,エージェントベース社会シミュレーション(ABSS)を活用したライドシェア制度設計に関する研究を進めている.本稿では,ライドシェア制度の利用時の心理的抵抗感を考慮するため,マーケティング理論であるイノベータ理論を用いてその普及過程を解析するライドシェア制度導入モデルの構想について述べる.

10:40
多目的意思決定における解集合の可視化とインタラクティブな絞り込みインタフェース
PRESENTER: 有花 箱田

ABSTRACT. 本稿では,非データ分析専門家である意思決定者向けに,多目的意思決定(MODM)における解集合を可視化しインタラクティブに絞り込むインタフェースを開発し,ユーザスタディを行った.平行座標プロットを用いて解集合を可視化し,各KPI軸にスライダーを設けることで,選好に基づいた絞り込みを可能にする.ユーザスタディでは,提案インタフェースの操作性,視認性,理解度に関して高い評価を得,本インタフェースに対する有用性を示した.一方で,いくつかの課題が残ることも明らかにし,今後の研究の方向性についても議論する.

10:10-10:50 Session 13B: ショート発表(2B)
10:10
地方自治体の政策について学ぶカードゲームの開発及び実験

ABSTRACT. 少子高齢化が進む地方自治体において,市民の健康増進による医療費の削減や産業振興,コミュニティの強化は重要な課題となっている.しかし,個人の生活習慣や行動が自治体の将来に影響を与えることを市民が実感するのは難しい.本研究では,市民の施策への理解を深めることを目的に,独自のカードゲーム型ゲーミングモデルを開発した.さらに,効果を検証するため,開発したカードゲームを用いたプレ実験を実施する.

10:20
災害対応訓練のための保健医療福祉本部モデル構築:エージェントベースモデリングを用いた指揮命令系統の訓練システム

ABSTRACT. 本研究では,エージェントベースモデリング(ABM)を用いて,災害発生時の保健医療福祉本部における指揮命令系統の訓練を支援するシステムを構築する.OODAループを活用し,実際の災害状況に近い環境での意思決定訓練を実現する.SOARSを用いたシミュレーションにより,避難者,支援班,本部の相互作用を再現し,リアルタイム情報の活用を可能とする.さらに,D24HシステムとAPI連携することで,訓練データを実際の防災システムに統合し,より実用的な訓練環境を提供する.

10:30
ゲーム理論を用いた中小企業の環境配慮行動のインセンティブに関する研究

ABSTRACT. 本研究では,大企業と中小企業間の環境要求をゲーム理論でモデル化し,両者の戦略的相互 依存を明らかにする.中小企業を段階別に分類し,各段階に合った施策や優遇措置を提案する.さら に,政府によるデータ共有基盤の整備や財政支援の重要性を示し,持続可能な企業行動を促進する方 策を示唆する.本研究は,今後の実証分析により中小企業の成長や競争力への影響をさらに検討する 余地を残しており,実務と政策への示唆が期待される.

10:40
仮想接地にむけたシリコンサンプリングにおける 離散選択モデルを考慮した仮想回答データ生成手法の検討

ABSTRACT. ABSSの構築においてモデルのパラメータ推定を行うために,データを大量に確保する必要がある.データ確保の手段としてモデル対象者に対しアンケート上で仮想的に選択を行ってもらう Virtual Grounding (VG)という手法がある.しかし,VGには数多くの被験者を要しデータが不足する問題がある.大規模言語モデルを用いて人間の回答を模倣するシリコンサンプリングという考えを参考に,本研究では大規模言語モデルと状況に応じた意思決定が可能な離散選択モデルの考え方を用いて人間の回答を再現する手法を検討する.