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09:00 | デジタルプラットフォーマーと利用者間の交渉力の非対称性:アカウントロックに関する調査結果より ABSTRACT. 本調査の目的は,デジタルプラットフォームを介した情報・コンテンツの生成や発信,受容が一般化しつつある中で,それらの送り手や受け手にとって,デジタルプラットフォーム事業者によるアカウントロック等がどのように受け止められているか等を探ることである.公正取引委員会(2019)による実態調査では,デジタルプラットフォームとその利用事業者というBusiness to Business (B2B)の関係性を対象に調査がなされ,オンラインモールやアプリストアの運営事業者に対して利用事業者が従属的な地位に置かれている実態が明らかにされている.それでは,デジタルプラットフォームとその利用者(個人)というBusiness to Consumer (B2C)の関係性においてはどうであろうか.B2Bの利用事業者に比べて,B2Cの利用者は個人であるので,彼らのデジタルプラットフォーム事業者に対する交渉力はさらに弱小であることが予想される. |
09:10 | スモールワールド性を持つ人社会ネットワークに多数派へ同調するロボットを参入させる手続きとシミュレーション ABSTRACT. ロボットに人間らしさや社会性を実装するために,他者の意見に同調するロボットが研究されている.また,幾つかの実験的研究がロボットとのやり取りは人の意見を変容させることを報告している.そのようなやり取りが社会の各所で発生し人々の意見を変容させることが社会に与える影響についてほとんど検証されていない.スモールワールド性を持つ生成された人的ネットワークに新たなノードとしてロボットを追加することにより人ロボット共存社会を表現し,そのネットワーク構造での意見伝播の特性をシミュレーションによって調査する. |
09:20 | システムモデルに基づくコラボレーションツールの評価実験 PRESENTER: 政司 三浦 ABSTRACT. オンラインで対話しながらシステムモデルを描くことでチームのコラボレーションを促進することができるツール「Balus」の有用性を定量的に評価するため,サバイバルタスクと呼ばれるグループワークを軸とした評価実験を設計・実施した. その結果, Balusの利用が精神的負荷を軽減し, 効率的なコミュニケーションにつながることを示唆する結果が得られた. |
09:30 | グローバルな企業間取引ネットワークにおける取引金額分布の普遍性 ABSTRACT. 取引レベルの輸出入取引金額分布の調査を行った.2019年2月から2023年4月を調査対象期間とし,ロシア,インド,メキシコ,ベトナム,スリランカ,エチオピアの6カ国それぞれの輸出入申告書データから,輸出入取引金額の累積分布を求めた.いずれの国の輸出入取引金額も,切断べき分布にしたがうことがわかった.COVID-19やウクライナ戦争があったが,輸入取引金額の指数は変化しなかった. |
09:40 | 世帯特徴を考慮したEVオーナー世帯数の推定手法 ABSTRACT. 近年,電気自動車(EV)の販売を促進するためにEV充電スタンド(EVCS)の増設が求められている. そのため,EVオーナーの充電需要を考慮したEVCSの配置最適化が必要である. 地域ごとのEVオーナーの充 電需要を推定するためには,EVオーナーの所在地を推定する必要がある.本研究では,合成人口データと呼ばれ る模擬ミクロデータを用いて,EVオーナーの所在地を推定するため,シミュレーティッドアニーリング法(SA 法)を用いてEVオーナー世帯数を世帯の特徴に基づいて推定する方法を開発する. |
10:10 | テーマパークにおける2種類の優先搭乗券が持つ効果に関する研究 ABSTRACT. 本研究の目的は、テーマパークにおける来園者の満足度に対して優先搭乗券が与える影響について研究することが目的である. パスには2種類あり、ファストパスとプライオリティパスが存在する. これらの2種類のパスについて比較しながら実験を行う. 実験では既存のエージェントモデルにそれぞれのパス所有時の動作を実装することで実現をした.ファストパスではアトラクション選択の際に一定の確率でパスを取りに行く動きを実装し、プライオリティパスは入場の際にパスを来園者に与えることで実装した. パス所有時は指定の時間以外は通常の選択を行い、指定の時間の際に指定のアトラクションへと行く動きを実装した. その結果、優先搭乗券を実装すると全体の待機時間は減少した。 |
10:20 | エージェントシミュレーションによる観光客の行動特性評価 ABSTRACT. 地域経済や雇用の重要な担い手である観光産業は交流人口や関係人口の拡大に寄与しているが, 少子高齢化や感染症の影響により,その構造的課題が顕在化している.観光産業の収益性を高め持続可能な観光を実現するために,我々はエージェントベース社会シミュレーションを用いた研究を進めている.本稿では観光客の属性に基づくエージェント行動モデルに関する構想及び簡易的な特性評価について述べる. |
10:30 | 普及への心理的抵抗感を考慮したライドシェア制度導入モデル ABSTRACT. 公共交通空白地の拡大に対する解決策の一つとして注目されている”日本版ライドシェア制度”の検討・実施が進んでいる.我々は,エージェントベース社会シミュレーション(ABSS)を活用したライドシェア制度設計に関する研究を進めている.本稿では,ライドシェア制度の利用時の心理的抵抗感を考慮するため,マーケティング理論であるイノベータ理論を用いてその普及過程を解析するライドシェア制度導入モデルの構想について述べる. |
10:40 | 多目的意思決定における解集合の可視化とインタラクティブな絞り込みインタフェース PRESENTER: 有花 箱田 ABSTRACT. 本稿では,非データ分析専門家である意思決定者向けに,多目的意思決定(MODM)における解集合を可視化しインタラクティブに絞り込むインタフェースを開発し,ユーザスタディを行った.平行座標プロットを用いて解集合を可視化し,各KPI軸にスライダーを設けることで,選好に基づいた絞り込みを可能にする.ユーザスタディでは,提案インタフェースの操作性,視認性,理解度に関して高い評価を得,本インタフェースに対する有用性を示した.一方で,いくつかの課題が残ることも明らかにし,今後の研究の方向性についても議論する. |